さすって仕上げる。

チェリーの木で製作中の「アームチェア」もいよいよ最終仕上げ。 全体が組み上がったら、最後はアームのカーブを「切り出し」と言われる小刀で削り出して、サンドペーパーでさすって仕上げて、細かい部分の面取りや、ボンドがついていないかなども合わせてチェックを行う。 この後、オイルを塗布してもらって、乾燥させたら、座面のペーパーコードを編み込んで行く。 並行して進めているテレビボードも、いい木目でまとまったので、また完成を目指して進めていける。 まずは目の前のお仕事をしっかり集中して、コツコツと。 いい結果に繋がるように、慌てず、焦らず、急がず、早らず。

目的は。。。

とても神経を使う工程のひとつに、「木目合わせ」があります。 その目的は、、、「その人、その家族のための木目」にすること。 その「家族」と「空間」と「生活」が、家具によって線でつながれるような、そんな木目になれたらいいな、家具になってくれたらいいなと考えながら組み合わせていきます。 そしてもちろん、木が動いたときにどのように動くかも、できるだけ考えて組み合わせていきます。 東京の家具屋さんで販売の仕事をしていたときは、「クレーム防止のため」に「こどもの顔が選べないように、木目も選ぶことが出来ません。ひとつひとつの出会いです。」と、よく言ってました。 それから月日がたち、実際に作り手の立ち場となって、木と向き合うようになってからは「クレームにならないようにしよう」などと、考えることはありません。 それぞれが素晴らしい特徴があり、向き不向きがあり、その場所を選んで組み合わせていきます。 特徴が強すぎると「家具が主役」になってしまい、空間を喰ってしまうことがあります。 僕はそれがあまり好みではありません。 なので、向き不向きがあると思う。と考えています。 「木目合わせの目的」が「クレーム防止のため」。 そんな目的のために、木と対峙して、木目を眺めることはないということ。

「技」

板と板をボンドでくっつけることを「板を接ぐ(はぐ)」という。 ただ単に板をくっつける作業。 今なら動画などでもよく見かけるような、シンプルに見える誰にでもできそうな作業。 でも実は、そこには様々な工夫が必要で、まず「接ぎ面」といわれる特別な面を造る必要がある。 これをきれいに、そして毎回安定して作ることがとても難しい。 師匠もかなり気を使って作っていたのを今でも覚えていて、最初の頃はこの「接ぎ面」には一切触らせてもらえなかった。 そして地味に大切なのが「ボンドの量」。 多すぎても、少なすぎてもだめで、まさしく「適量」を、しかも「均一」に塗布することが大切になってくる。 クランプで締め付けた際に、こうして同じ量が表面にボンドが出てきたときが、適量で均一に塗布できている状態。 「職人技」なんて言葉を聞くと、鉋を使って、ノミを使って、仕口を使って、、、というイメージがあるけれど、それ以外のもっと地味な作業にもたくさん技がある。 機械を使うことも同じこと。 誰でも使えるわけではなく、コツもあれば、ルールもある。 そして機械といっても、それぞれ個体差があり、その「癖」を見つけて、自分のものにしなければならない。 そして、その機械の「整備」「調整」も自分でやる必要がある。 機械屋さんの話では、大きな工房では機械の整備は機械屋さんにお任せだから、職人さんは自分で整備、調整はできないとのこと。 それはそれで、その規模になるまで努力された結果なので素晴らしいと思うけど、僕の師匠は「自分の機械なんだから、自分で学んで癖をつかんで仕組み、構造を理解する努力をしなさい」という人だったから、僕も自然とそ

必ずつける印。

「角のみ」と言われる機械で、四角い穴を開ける工程の際に必ずつける印があります。 このシンプルな斜線です。 穴を開ける位置を間違えないように、そして忘れないようにとつけています。 そんな単純な作業の積み重ねが、家具を形成する大切な土台となっているのです。 一発勝負の穴開け加工。 明かりを灯して、慎重にそして大胆に! あっという間に週末がやってきました。 僕はまたコツコツと作業を進めていく予定です。

展示スペースの使い方。

工房を引っ越して以来、「展示スペース」を作ろうと、壁を作り、床を貼り、天井と壁を塗り、少しずつ家具を置いて、今はご予約いただいた方をお迎えできるほどになりました。 引っ越し当初は、ギャラリーのように気軽にご来店いただけるようにしようと考えていたのですが、自分たちの家族の形を考えてみると、しばらくの間、「展示スペース」は小学生の長男がお休みのときや、長女がこども園に通い始めるまでの、遊びや学びのスペースとしてピッタリで、ご予約制にさせていただこうか、と話し合うようになりました。 長男がお休みの時は、恐竜ワールドが広がり、長女も便乗してとても楽しそう。 長女が一人のときは、パズルをしたり、アニメを見たり、ボールで遊んだり、そして次女はのんびりゴロゴロころがっています。 長女はもう少しで園通いになりそうで、これからは次女の遊びと学びのスペースとなるのでしょう。 展示のテーブルでは、普通に家族が食事をしたりするため、普段の生活で発生するような傷などがリアルにご覧いただけます。 (もちろん、家具はいつもきれいに掃除をしております。) ルークとして家具を作り始めて7年目。 次女が3才になると、ちょうど10年を迎えることになります。 そんなタイミングが重なって、本格的に「展示スペース」そして「ギャラリー」としての活用は、3年後くらいを目処に動こうかと、妻と話し合っております。 もちろん、今まで通り、ご予約をいただいて家具をご覧いただいたり、打ち合わせはできるように、これからも少しずつ家具を増やしていく予定です。 家族という"点"と、仕事という"点"は、人生という線の上で自然と成り立っていて、

テレビボードの木取り

あいかわらず木取りには、時間をかけます。 バランスのいい木目はもちろん、色味、強度、歩留まり、木表、木裏・・・。 少し削っては、チェックして、様子を見て。なんか違うかな・・・と思ったら、また木を出して少し削っての繰り返し。 正解がありそうで、まったくそんなものは存在しない木取り。 これは家具屋さんにとって永遠のテーマ何だろうなと思っています。 しかし、この楢の木についている割れ止めのボンドは、本当にやっかいで刃物の切れ味をすぐにダメにしてしまう。 どれだけ硬いボンドなのか、毎度のこと信じられない。 ハイス鋼では到底歯がたたないので、超鋼も考えないといけないのかな・・・。 そんなこんなで、いい感じに出揃った木を眺めながら、コーヒーで一服して、またダイニングチェアの組みを再開します。 椅子はそろそろ完成する予定。 テーブルでも、チェアでも、ボードでも、ブックスタンドでも、フォトフレームでも、誰かのために何かを形にするということは、心地よいプレッシャーを感じている。 これもきっと慣れることはないのだろうな。 そんな緊張感と、資源を大切に使わなければいけない、という使命感も合間って、いい姿勢が保たれるのかもしれない。 今年は本当に天気に悩まされた時期が多かった気がするけど、まだまだ台風も来そうだし、最後まで油断せず、でも焦らずに行こうと思います。

ダイニングチェアの製作。

チェリーのダイニングチェアの製作。 梅雨時期から、大雨、台風となかなか製作の遅れを取り戻すことができず、とはいえ無理な作業はあまり心地よくないので、ご迷惑をおかけしておりますが、お時間をいただきながらコツコツと製作に励んでおります。 ダイニングチェアの笠木も4枚目に突入しまして、いよいよ本体も組みの作業となります。 ボンドで接着してからは最低でも半日は固定したままの状態で、しっかり乾燥を待ちます。 その間工房の掃除をしたり、展示スペースに戻り製図をしたり、そして新しい製作のための木取りを行ったり。 新しく始まっているアームチェアの製作。 脚の丸面にも鉋をかけて形を整えていきます。 シンプルな工程も、複雑な工程をシンプルにこなせるようにするための大切な工程になってきます。 ここを”ある程度”で済ませると、その後の複雑な工程がさらに複雑になり、時間がかかり頭も体力も余計に使うことになってしまうのです。 ひとつひとつ、コツコツと、地に足をつけて進むように、今日も頑張ります。

シェーカースタイルのダイニングテーブル。

今回ご依頼いただいきましたシェーカースタイルのダイニングテーブルは、「森の王様」と言われているナラ材での製作となりました。 サイズは絶妙なW1650 x D900 x H690。 ご新築中の図面をお持ちいただいて、実際に通路の幅を測りながら、照明の位置を確認して、動線を確認して、、、。 床の木の種類であったり、壁の色だったり、素材であったり、お持ちの家具の木と揃えたり。 木の種類を決める要素も色々ありました。 クライアントは「1800では大きくて、1700、1600、かな?」というイメージでしたが、1650という1センチ単位で調整できて、このシェーカースタイルの脚のデザインが1650くらいからがちょうどいいということをお伝えしながら、、、という感じでサイズが決まっていきました。 展示と同じデザインに見えますが、実はディテールが全て違います。 天板角のR20からR10へ。 縦の二本脚は、丸みを無くして角材で。 脚元の角はR6からR2へ。 という形で、細かくオーダーいただきました。 そう、「オーダー家具」なので、しっかりとこだわりをお伝けて嬉しかったです。 こちらのおすすめとクライアントのこだわりを照らし合わせてお作りするのが「オーダー」の楽しいところです。 もちろん、展示と同じディテールでも「オーダー家具」ですので、ぜひ!

真鍮の化粧ボルト。

シェーカースタイルのダイニングテーブルに使われる「真鍮の化粧ボルト」は特注です。 ヘッドの大きさも、溝も、長さも、ネジが切ってある部分も。 とても綺麗なのでお届けいただくたびに、すごいなぁ・・・と感動してしまいます。 取り付ける前には、「ピカール」で磨いて、さらに光沢を出してからお届けとなります。 真鍮のいいところは「木と同じく経年して変化する」というところ。 よく使われる「経年変化」という言葉。 シンプルに「人間」と一緒。 生まれてから、少しずつ経験を積んで、歳をとって、心身ともに変化していく。 だから、同じように「変化するモノ」に自然と共感して愛着が湧くのでしょう。 ずっと変化せずそのままの姿をキープし続けるモノに関して、感心しながらも、どこか違和感を感じたり、味気なさを感じてしまうのは、どこか寄り添えない感覚があるからなのかもしれません。 お届けまで後少し。

ダイニングチェアの背もたれ(笠木)

ご依頼いただいているダイニングチェアの背もたれのことを「笠木(かさぎ)」と呼びます。 様々な工法がありますが、このダイニングチェアは無垢の板を引き割って圧着し「積層」する方法で形を作ります。 一枚の木から引き割っていくので、木目はほぼ同じように見えるのですが、ここから「表と裏」になる木目をしっかり見極めていきます。 ほぼ同じということは、違うということ。 圧着してから最低でも12時間はそのままの状態。 なかなか時間のかかる工程ですが、とても好きな工程のひとつでもあります。 10月にご依頼いただいている「ハーフアームチェア」は、また違う方法での製作となるので、 それもまた楽しみ。

ブックスタンド、フォトフレーム。

「家が教えてくれること」でお世話になって以来、ずっとお取り扱いいただいている小池さんと小川さんご夫婦からご依頼いただきました「ブックスタンド」と「フォトフレーム」をお届けしました。 繊細な線のウォールナットをどう組み立てるか、、、色々と試行錯誤が続いておりました。 今は、組んだ後に木釘を打ち込んで、この構造を確立しています。 ウォールナットとの相性もいい「真鍮のネジ」を使用して、可動部分にもアクセントとして楽しんでいただけます。 木とともに、真鍮も経年で色が変化していくので、年月をともにしてくれる道具として、とても愛着が湧くと思います。 木の動きで、ネジがゆるくなることもあるでしょう。 そのときは、ネジを少し締め直してあげてください。 メンテナンスも大切な道具とのコミュニケーションです。 様々な道具が便利でメンテナンスフリーなモノが増えてきていますが、僕は人も道具も、完璧を求めるのではなく、メンテナンスをしながら少しずつ絆が深まって行くような、対話が大切だと思っております。 繊細な作業はとても集中力を使うので、製作する個数はいつも「心を込めることができる数だけ」。 「ノルマ」では決してありませんし、「手作りで量産」もあまり好みではありません。 小池さんと小川さんのブログ「table talk」に訪れるお二人のファンのため、本が大好きな方にお届けするために丁寧に製作しております。 こちらの商品は、お二人のHPからご購入いただけますので、ぜひご覧ください。 お楽しみくださいませ:)

圭三郎の鉋

小僧の時から、ずっと一緒に仕事をしてきた "圭三郎鉋"。 寸八、寸六、小鉋も圭三郎。 名古屋にあった青山鉋さんにおすすめされてから、ずっと使わせていただいています。 鉋でも、カメラでも、釣竿でも、道具とはこうしてゆっくり繋がっていく感じがいい。 ゆっくり手に馴染んで行く感じがいい。 Nikon F2とは8年の年月が経ったけれど、leica M4とはまだ3年。 まだまだこれからたくさんの思い出を残しながら、ゆっくり馴染んで行く感じを楽しんでいきたい大切な相棒。 道具との付き合い方は、人との付き合い方ととても良く似ていて、家族との関係も似ている。 "大切にする"とは簡単に言えるけど、"大切にしているかどうか"は作品に現れてくると信じている。

涼しくなって。

9月になると、これほどまでに涼しくなるのか、、、と思うほど気候が変わり、作業がしやすくなってきました。 シェーカースタイルのダイニングテーブル。 脚の木目を確認しながら、位置を決めていきます。 このあと、形を整えて、カンナをかけて、組み立て。 天板も幅じめをしながら、木目を揃えていきます。 今回はこの状況なので、あまり材料をこまめに買いに行くことをお互いのために控えようと、1㎥丸っと購入。 材木屋さんと材料を運び込みながら、「いい木だな〜。」と内心思っていたら、材料屋さんからも「・・・この木すごくないですか?」と言われるほど、素晴らしい木と巡り会うことができました。 いつも気合は入っていますが、さらに気合が入りました。 展示ルームでは、長女が黙々とパズルをやっていました。 お尻の下のピースを見つけることができずに、「ひとつないよー!」と困っていました:) 癒しです。 またコツコツと頑張ります。

こども椅子について。

工房で作業中に、ふと一通のメールをいただきました。 そこには、心に響くお言葉とともに、先日お渡しした「こども椅子」に座るお子さんの写真が添えられていました。 (SNSもお使いの方で、お写真使用のご了解をいただいております。) 前回のブログでも綴ったのですが「こどもの家具」というのはハードの面でも、ソフトの面でもとてもむずかしい道具であると、インテリアのお仕事に就いてから、そして作り手になってからも、ずっと考えていました。 それは「将来の用途は?」という点です。 しかし、今回いただいた言葉に、ハッとしました。 「一時的しか使えないものだからこそ、その瞬間の思い出が詰まっているように思える。」 「子どものものとはいえ、せっかくならば家族の歴史とともに、末長く我が家にあり続けるものであってほしいと思ってお願いしました(むしろ子どものものだから、余計にそう思うかのしれません)」 この言葉を何度も読み返して、こども椅子のパズルの最後のピースがはまったような感覚を覚えました。 僕の実家に帰省すると、僕が使っていた"こども椅子"を、今は自分の娘たちが使っています。 見るたびに「なつかしいなぁ・・・」と思っていますが、きっと「いつか孫たちも使ってくれる」という想いから、ずっと大切に取っておいてくれたのだろう、と勝手に思っていました。 しかし、今回いただいた言葉を読み返しながら考えると「孫が使ってくれる。。。」という想いよりも先に、きっと「我が子の思い出が詰まっている」・・・だから、大切に取っておきたいと思っているのかもしれない。と、想像してみました。 自分たちはもう大人になった気分で「孫たちを

ペーパーコードのベンチ

「W1200mm」となると、ペーパーコードを丸っと"一巻"使い切るベンチ。 ブラックのペーパーコードもお選びいただけますが、今回はナチュラルカラーで。 このベンチを作り始めたのも、家具屋として独立した時くらいから。 丸脚に対しての胴付きを、どういう方法にするかを色々と迷っていたのを思い出します。 工法には、これといった正解はなくて、様々な方法があり、強度は十分だろうか、きれいに見えるだろうかなどなど、色々と考えています。 強度のために線を太くすればいいわけでもなく、細く攻めすぎてもよくなく。。。 安心感と安定感のバランス、普遍的な存在感を目指してコツコツと製作しております。 ベンチには様々なメリット、デメリットがあります。 それは置く場所は使い方、まとめてしまうと"好み"というところで落ち着かせてしまうこともできますが、生活スタイルをしっかり見つめてみると、ベンチの魅力を最大限に活かせると思います。 無事にお届けできてホッといたしました。 さあ、また新しい製作のスタートです。

ダイニングテーブルの木取り。

シェーカースタイルのダイニングテーブルの製作。 毎回、木取りには一番時間をかけます。 いや、自然とかかってしまうのかもしれません。 どの木目もとても素晴らしい木目。 その中から、「このご家族の雰囲気にピッタリの木目」を選んでいきます。 少し削っては様子を見て、また削っては様子を見ての繰り返し。 その人のためだけ、そのご家族のためだけの木を真剣に選んでいきます。 「木の家具」と一言でくくっても、中身はそれぞれ違いがあると思います。 同じ「木の家具」でも、個人工房として何ができるか、どんな想いを込めることができるか。 そんな想いも、これからもずっと大切にして、家具を製作できたらいいなと思っています。 外はひどい雨。 湿気との戦いも終わったと思ったけれど、全然終わっていなかった。。。 しっかりシーズニングして、コツコツと作業を進めていこうと思います。

©️ LØKKE furniture​      ルークファニチャー​

​・aichi ichinomiya

・pelican2255@gmail.com