木の家具で伝えたいこと。


僕が独立して一番初めにスツールを作らせていただいたご家族が、座面の編み直しとメンテナンスをしてほしいと

ご連絡くださり、工房に遊びに来てくれました。

スツールを製作させていただいたとき、上のお子さんはまさに生まれたばかり。

スツールの座面をワークショップ的に編み込んでもらったのも、大切な思い出として覚えています。

"これがなくちゃ困る!"と言ってくださるほどしっかりと使い込まれたスツールを見て、"メンテナンスをしてほしい"というご依頼までいただけたことが、僕が木の家具を通して伝えたいことにリンクしていて、それはもう嬉しくてホロホロきてしまいました。

元気いっぱいの男の子二人の使い方にも耐えられる作りになっていなかったというのは、作り手としては"力不足"。

まずはそこをしっかり受け止めて反省しています。だからこそ今の目一杯の技術を使って、材料も変えることなく、強度をあげて、直すことができました。もう大丈夫!

木という材料の一番のメリット、魅力はこの"直せる"ということです。

木の家具の"解決策"はほぼ"無限大"。

このメリットを子供たちの目の前で最大限に使ってもらえたことが、本当に嬉しいのです。

子供たちにとって"返品、交換"が当たり前になるのではなく、"直して大切に使う!"ということを親の背中から学び、その優しさは、これからたくさんできるお友達に対しても繋がっていくと思っているからです。

僕が木の家具を通して、一番伝えたいことがここです。

"木の家具と人間と似ている。"

木の家具(植物)は同じ生き物で、言葉を発さないからこそ、たくさんの学びを与えてくれます。

愛着が湧くまでに様々なことが起こります。いや、様々なことが起きるから愛着が湧きます。

子供が生まれて来た時、赤ちゃんの顔を選ぶことができないのと同じく、木の木目もきっと本当は選ぶことはできず、運命のような巡り合わせです。

10年前に勤めていた東京の家具屋では、よく言っていた"営業トーク"ですが、実際に子供が生まれて来てくれたとき、そして一緒に生活していて、今は心からそう思います。

そして、子供は急成長することはなく、ゆっくり首が座って、ハイハイをして、歩けるようになって、お話しするようになって、、、と一歩ずつ、ひとときずつ、ゆっくりと成長していきます。

そしてその成長を親が見守るように、木の家具は、傷をつけられても、汚されても、僕らと同じ時の中でそこにあり続けて、見守ってくれている気がします。

病気や怪我をすれば、病院に行って治療をするように、木の家具も乾燥すればオイルを塗って、傷がついたり壊れたりすれば、直します。命あるもの、形あるもの、何かが起こるのは必然で、一生不変なんてことはありえません。

時間をかけて、家族の絆がゆっくり深まっていくように、生活する空間や道具たちとの絆も、きっと時間が必要なのだと思います。

道具は、どうしても"出来上がって100点"と見られがちで、年月が経ち、新しいものができて来たりすると、"減点"されていくことが多いです。しかし、木の家具は家族と同じで、"0からスタート"してどんどん加点できるモノゴトだと思っています。

初めて作ったスツールを見て、このご家族、子供たちをみていて、改めて自分が木の家具を通して伝えたいことを、確認することができました。

それにしても、まとまりません。

ほんとうにありがたいことに、毎日色々なことがたくさん起きてくれるので、さすがにまとまりません。

ありがとうございましたー!


©️ LØKKE furniture​      ルークファニチャー​

​・aichi ichinomiya

・pelican2255@gmail.com