ハーフアームチェア(山桜)

今回、製作をご依頼いただいたのは、以前使用していた工房のご近所にお住まいの方で、学校の美術の先生をされていた方。

趣味でも陶芸をされていたり、茶道を学ばれていたりと、日々感覚を研ぎ澄まされている方で、こうしてハーフアームチェアを選んでいただけたことが、とても嬉しかったです。


「気持ちを込めることができるタイミングで」と応援してくださり、しっかりとお時間をいただいての完成、お届けとなりました。



「アメリカンブラックチェリー材」とは異なる「山桜」。

木取りからはじまり、様々な工程をすすめる中、工房は「桜餅」と同じ、とてもいい香りに包まれながらの製作となりました。


ペーパーコードの座面はとても座り心地がよく、特に編み終えたばかりのペーパーコードは張りと弾力があり、気持ちよく座って頂けます。

素晴らしいのはその後で、座っているうちに張りが取れて、少しずつ自分のお尻の形にフィットしてくれるようになり、さらに自分に合った座り心地になってくれるところだと思っています。



ところが、ふと「少しお尻が痩せてね!」というお話があり、ペーパーコードでもちょっと痛い箇所があるとご相談が。

色々お話していくうちに、「座クッションを作ることはできないか?」とご提案をいただき、“ペーパーコードの座り心地”と“張り座の座り心地”を両方楽しむための「座クッション」を製作することになりました。



生地を選んでいただき、デザイン、構造はお任せいただいたので、いつもお願いしている職人さんに、また色々と無理なご相談に乗ってもらいながら製作して頂きました。


座クッションは座った時に両サイドが持ち上がるので、裏地が見えてきます。

裏地と表地の色があまりに違うと違和感を感じるので、双方の色味を統一してもらいました。

(そんな裏地は滑り止めの生地になっています。)



さらに、中のウレタンがヘタっても、交換できる構造になっているのですが、ファスナーを付けると座面のペーパーコードが擦り切れてしまい、またそれで価格も上がってきます。


そこで職人さんが一工夫してくれたのですが、届けてもらってそれを見たときは、とても感動しました。



改めて感じるのは、いつも新しいデザインやアイディア、家具が生まれるのは「おかげさま」からであるということ。


こうして僕が綴っているとどうしても「僕たちが・・・」と見えがちなのですが、やはりご依頼主の感覚から生み出されるご要望であったり、支えてくれる回りの職人さんのアイディア、技であったり、「おかげさま」であふれています。


これからも温かい他力に感謝しつつ、しっかりと地に足を付けて自力を鍛えていきたいと思います。


完成、お届けまで温かく見守って下さり、本当にありがとうございました。