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「テーブルトップの削り直し」

お引越しのタイミングでテーブル天板のメンテナンスをご依頼いただきました。


約5年ぶりに再会した天板は、思い切り使っていただいていて、その様子から聞こえてくるのは決して「こらこら!」という尖った音ではなくて、「おやおや!」とか「あらあら!」という穏やかな音で、木の家具の作り手として、心から嬉しいものでした。


この天板を使っていただいているのは写真家の"砂原文"さん。

まさにその人柄が、そして自然体でお子様と接する様子も天板に映し出されたような・・・そんな温かい印象を受けました。



まずは板の傷や反りを取るために、はぎ目に合わせて縦切りをして、5枚の板に分けます。その後、鉋をかけて表面を整えていきます。

天板を持ち上げて移動することもあるということで、今回は厚みを落として軽量化も意識しています。


ほとんど反りがなくて、とても素直で真っ直ぐな楢材との再会・・・ちょっと胸が熱くなりました。



傷や汚れ、反りをすべて取り切って、また綺麗に接ぎ合わせていきます。

サイズは数ミリ小さくなりますが、新品同様の輝きを見せてくれます。


新しい姿になったこの天板は、また砂原さんご家族にそっと寄り添ってくれると思います。


「木の家具の魅力」はまさに「メンテナンスをして、ずっと使うことができる」というところにあります。


一言で「木」と表記されていても、種類は色々あります。

薄くスライスした木をベニヤ板に貼った「突き板」を木と表記したり、幅方向にも、長さ方向にも木をくっつけた「集成材」も「木」とか「天然木」と表記されます。


着色されていて何の木かわからないものでも「木」です。


それぞれ適した用途があり、メリットデメリットがあります。

もちろん「無垢の木」にもそれらはあります。


どれが良い悪いではなく、自分の生活スタイル、もしくは家族、こどもたちにその素材を使ってどんなことを伝えたいのか、伝えることができるのか。


そんな自分たちの想いとマッチした素材、道具は何だろうと考えて選ぶことができたら、より心地よい日々が過ごせるのだろうなと、今回のメンテナンスを通して、改めて感じることができました。


僕たちはこれからも「木の魅力」を伝えることはもちろん、適材適所の大切さや必要性、魅力を率直に伝えることができたらいいなと思っています。

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©️ LØKKE furniture​      ルークファニチャー​

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