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800mmの丸い場所。


今回製作させていただいたのは脚が折りたたみ式の"座卓"です。

Fさんとの出会いはもう5年ほど前の名古屋テレビ塔で開催されていた"social tower market"。

そして、キーワードは"オマーン"。

その頃も額縁をメインに出店していて、Fさんが"オマーンに旅行に行ったときに購入した絵を飾りたい。"ということでフラッと立ち寄ってくださって、そして僕がイギリスにお邪魔していたときに、"オマーン出身"の友人がいたことがきっかけで、色々とお話させていただいたという感じです。

それから料理人である旦那さまの、"200年前の古伊万里のお皿"の額縁を製作させていただいたり、フィルム写真を撮影される奥様の写真の額縁をご注文いただいておりました。

そう、お持ちだったダイニングテーブルと椅子の高さ調整もさせていただいて、脚をカットするときに、とても緊張したのを覚えております。

どういう座卓にしようか、妻と金具や幕板、面取りなど、詰めに詰めました。

妻は足し算、僕は引き算、いつも通りの役割ですが、いつも強く感じるのは家具作り、デザインには"女性目線がかかせない!"ということです。

男性と女性では座る姿勢(あぐらと正座)も違うし、子供との距離感も違う。

折りたたみの構造も、金具を使うか使わないか。金具を選ぶときも、動きや制度、剛性など、ふとした安全面をケアしながら、でも気を使い過ぎず、お持ちの家具に合うように、そして "空間を喰わない"デザインに。

現在の住宅気密であれば、金具を使った方が木を無理やり使うよりも、きっとやさしく便利な構造になる。

そして"お子様を二人見ながら"なので、シンプルな仕組みが必須。

お子様がいたずらしても、動きにくい硬さと怪我をしない動きのものを。

そして、総合して軽くなるように。。。

"散孔材"のチェリーは肌触りがつるつるしているので、お子様がこのままお絵かきをしても、木目が邪魔することはなく、ちょっとした筆圧は素敵な思い出にもなってくれると思います。

これからどんどんご家族、お子様の成長とともに、色が濃くなっていき、空間にもさらに馴染んでくれることでしょう。

幕板は金具の目隠しと、天板の反り止め、そして持ち運ぶときの取手も兼ねています。

”800mmの丸い場所。”に詰まったなが〜い作り手の想い、、、はさておき、Fさんご家族に再会できたことと、かわいい赤ちゃんに会えたこと、そして少しだけお兄ちゃんと"おさるのジョージ"ごっこができたことが、とても嬉しくて嬉しくて。

お引越しされて、家族が増えて、そしてまた新しい家族が増えて。

この座卓をお届けした時に"家族が増えると必要な家具が変わってくるものですね。"という奥様の言葉がとても印象的でした。

素敵な道具の整え方。。。憧れます。

ぜひ、目一杯使っていただき、思い出をたくさん詰め込んでいただきたいです。

またお会いできる日を楽しみにさせていただきます!


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