

- Sep 30, 2020
ダイニングチェア。
9月の最終日。 あっという間に時間が流れていきます。 今回、ナラ材で製作したダイニングチェア。 いつもご注文いただくのは東京のsvale furnitureさん。 オーナーの三宅さんとは、東京の家具屋で働いていた時の同期で、ふとあの頃を振り返っても、楽しかったことも辛かったことも、良い思い出として残っています。 今でも、その頃の方々とはお話しする機会があり、みんな元気そうで嬉しい限りです。 そんな過ぎ去っていく時間は、決して戻ることはありません。 悔いのないように、大切に過ごしていきたいものです。 天気に振り回された9月。。。 まだまだ製作は続きます。 10月もお待ちいただいているお客様のために、しっかり集中してコツコツと製作に励みたいと思います。


- Sep 29, 2020
息子も娘も。。。
息子は今でも生き物全般が大好き。 その影響なのか、娘も生き物全般が大好き。 椅子の座面を編んでいたら、窓にカマキリが飛んできて。 案の定、娘も大喜びでずっと眺めていました。 バイバイするのが、どうしても嫌で「だめー!もう少し!待ってー!」とドタバタになるのが、いつものお決まり。 お兄ちゃんの影響はほかにもあり、恐竜の名前もドンドン憶えているし、それっぽい英語も話してみたり笑。 僕の中で驚いているのが、妹をすごく可愛がってくれること。 赤ちゃん返りのひとつもするのだろうと思っていましたが、そんな気配もなく、ずっと「あ~、かわいいね~。」と抱っこしてくれたり、一緒にお風呂に入ってくれます。 この優しさは一番うれしい「お兄ちゃんの影響」かもしれません。


- Sep 29, 2020
アームチェア。
もう作ることができなくなってしまった「椅子」がありました。 僕も妻もその椅子が気に入っていて、特に妻はその椅子を眺めている期間が長く、思い入れもあったと思います。 作ることができなくなったとわかったとき、ふと「この椅子をリデザインして、妻も喜んでくれたらいいな。」なんて思いながら、話を持ちかけたことを覚えています。 リデザインしてオリジナルの椅子にできないかと考えたのが、このアームチェア。 座面の編み込みも完了して、いよいよお届けとなります。 お届け先は「山口県」。 妻との新婚旅行で訪れた場所にとても近くの方。 こんなご時世でなければ、間違いなく自分でお届けにあがるのですが、ご迷惑がかかってしまっては申し訳ないので、今回はヤマトさんにお願いいたします。 落ち着きを取り戻したら、必ずご挨拶にお伺いさせていただきます。


- Sep 28, 2020
さすって仕上げる。
チェリーの木で製作中の「アームチェア」もいよいよ最終仕上げ。 全体が組み上がったら、最後はアームのカーブを「切り出し」と言われる小刀で削り出して、サンドペーパーでさすって仕上げて、細かい部分の面取りや、ボンドがついていないかなども合わせてチェックを行う。 この後、オイルを塗布してもらって、乾燥させたら、座面のペーパーコードを編み込んで行く。 並行して進めているテレビボードも、いい木目でまとまったので、また完成を目指して進めていける。 まずは目の前のお仕事をしっかり集中して、コツコツと。 いい結果に繋がるように、慌てず、焦らず、急がず、早らず。


- Sep 27, 2020
目的は。。。
とても神経を使う工程のひとつに、「木目合わせ」があります。 その目的は、、、「その人、その家族のための木目」にすること。 その「家族」と「空間」と「生活」が、家具によって線でつながれるような、そんな木目になれたらいいな、家具になってくれたらいいなと考えながら組み合わせていきます。 そしてもちろん、木が動いたときにどのように動くかも、できるだけ考えて組み合わせていきます。 東京の家具屋さんで販売の仕事をしていたときは、「クレーム防止のため」に「こどもの顔が選べないように、木目も選ぶことが出来ません。ひとつひとつの出会いです。」と、よく言ってました。 それから月日がたち、実際に作り手の立ち場となって、木と向き合うようになってからは「クレームにならないようにしよう」などと、考えることはありません。 それぞれが素晴らしい特徴があり、向き不向きがあり、その場所を選んで組み合わせていきます。 特徴が強すぎると「家具が主役」になってしまい、空間を喰ってしまうことがあります。 僕はそれがあまり好みではありません。 なので、向き不向きがあると思う。と考えています。


- Sep 27, 2020
「技」
板と板をボンドでくっつけることを「板を接ぐ(はぐ)」といいます。 シンプルに板をくっつける作業で、今なら動画などでもよく見つけることが出来るような作業でもあります。 でも実は、そこには様々な工夫が必要で、まず「接ぎ面」といわれる特別な面を造る必要となります。 これをきれいに、そして毎回安定して作ることがとても難しくて。。。 師匠もかなり気を使って作っていたのを今でも覚えていて、最初の頃はこの「接ぎ面」には一切触らせてもらえませんでした。 そして地味に大切なのが「ボンドの量」。 多すぎても、少なすぎてもだめで、まさしく「適量」を、しかも「均一」に塗布することが大切になってきます。 クランプで締め付けた際に、こうして同じ量が表面にボンドが出てきたときが、適量で均一に塗布できている状態。 「職人技」なんて言葉を聞くと、鉋を使って、ノミを使って、仕口を使って、、、というイメージがあるけれど、それ以外のもっと地味な作業にもたくさん技があります。 機械を使うことも同じことで、誰でも使えるわけではなく、コツもあれば、ルールもあります。 そして機械といっても、そ


- Sep 25, 2020
必ずつける印。
「角のみ」と言われる機械で、四角い穴を開ける工程の際に必ずつける印があります。 このシンプルな斜線です。 穴を開ける位置を間違えないように、そして忘れないようにとつけています。 そんな単純な作業の積み重ねが、家具を形成する大切な土台となっているのです。 一発勝負の穴開け加工。 明かりを灯して、慎重にそして大胆に! あっという間に週末がやってきました。 僕はまたコツコツと作業を進めていく予定です。


- Sep 25, 2020
展示スペースの使い方。
工房を引っ越して以来、「展示スペース」を作ろうと、壁を作り、床を貼り、天井と壁を塗り、少しずつ家具を置いて、今はご予約いただいた方をお迎えできるほどになりました。 引っ越し当初は、ギャラリーのように気軽にご来店いただけるようにしようと考えていたのですが、自分たちの家族の形を考えてみると、しばらくの間、「展示スペース」は小学生の長男がお休みのときや、長女がこども園に通い始めるまでの、遊びや学びのスペースとしてピッタリで、ご予約制にさせていただこうか、と話し合うようになりました。 長男がお休みの時は、恐竜ワールドが広がり、長女も便乗してとても楽しそう。 長女が一人のときは、パズルをしたり、アニメを見たり、ボールで遊んだり、そして次女はのんびりゴロゴロころがっています。 長女はもう少しで園通いになりそうで、これからは次女の遊びと学びのスペースとなるのでしょう。 展示のテーブルでは、普通に家族が食事をしたりするため、普段の生活で発生するような傷などがリアルにご覧いただけます。 (もちろん、家具はいつもきれいに掃除をしております。) ルークとして家具を作り


- Sep 24, 2020
テレビボードの木取り
あいかわらず木取りには、時間をかけます。 バランスのいい木目はもちろん、色味、強度、歩留まり、木表、木裏・・・。 少し削っては、チェックして、様子を見て。なんか違うかな・・・と思ったら、また木を出して少し削っての繰り返し。 正解がありそうで、まったくそんなものは存在しない木取り。 これは家具屋さんにとって永遠のテーマ何だろうなと思っています。 しかし、この楢の木についている割れ止めのボンドは、本当にやっかいで刃物の切れ味をすぐにダメにしてしまい、、、どれだけ硬いボンドなのか、毎度のこと本当に悩まされています笑。 ハイス鋼では到底歯がたたないので、超鋼も考えないといけないのかな・・・。 そんなこんなで、いい感じに出揃った木を眺めながら、コーヒーで一服して、またダイニングチェアの組みを再開します。 椅子はそろそろ完成する予定。 テーブルでも、チェアでも、ボードでも、ブックスタンドでも、フォトフレームでも、誰かのために何かを形にするということは、心地よいプレッシャーを感じています。 これもきっと慣れることはないのだろうなと。。。 そんな緊張感と、資源を


- Sep 23, 2020
ダイニングチェアの製作。
チェリーのダイニングチェアの製作。 梅雨時期から、大雨、台風となかなか製作の遅れを取り戻すことができず、とはいえ無理な作業はあまり心地よくないので、ご迷惑をおかけしておりますが、お時間をいただきながらコツコツと製作に励んでおります。 ダイニングチェアの笠木も4枚目に突入しまして、いよいよ本体も組みの作業となります。 ボンドで接着してからは最低でも半日は固定したままの状態で、しっかり乾燥を待ちます。 その間工房の掃除をしたり、展示スペースに戻り製図をしたり、そして新しい製作のための木取りを行ったり。 新しく始まっているアームチェアの製作。 脚の丸面にも鉋をかけて形を整えていきます。 シンプルな工程も、複雑な工程をシンプルにこなせるようにするための大切な工程になってきます。 ここを”ある程度”で済ませると、その後の複雑な工程がさらに複雑になり、時間がかかり頭も体力も余計に使うことになってしまうのです。 ひとつひとつ、コツコツと、地に足をつけて進むように、今日も頑張ります。


- Sep 21, 2020
「楢の木のシェーカーテーブル」
今回ご依頼いただいきましたシェーカースタイルのダイニングテーブルは、「森の王様」と言われているナラ材での製作となりました。 サイズは絶妙なW1650 x D900 x H690。 ご新築中の図面をお持ちいただいて、実際に通路の幅を測りながら、照明の位置を確認して、動線を確保して、、、と打ち合わせを進めさせていただきました。 床の木の種類であったり、壁の色だったり、それらの素材であったり、お持ちの家具の木と揃えたりと、テーブルの木の種類を決める要素も色々ありました。 お客様は「1800では大きくて、1700、1600、かな?」というイメージでしたが、テーブルのサイズは「1センチ単位」で調整できて、このシェーカースタイルの脚のデザインが「1650くらいからがちょうどいい」ということをお伝えしながら、サイズが決まっていきました。 そして「ディテール」。 展示と同じデザインに見えますが、実はディテールが全て違います。 天板角のR20からR10へ。 縦の「二本脚」は、外側の丸みを無くして、お客様のお好みの角材に。 そして、脚元の角はR6からR2へ・・・とい


- Sep 19, 2020
真鍮の化粧ボルト。
シェーカースタイルのダイニングテーブルに使われる「真鍮の化粧ボルト」は特注です。 ヘッドの大きさも、溝も、長さも、ネジが切ってある部分も。 とても綺麗なのでお届けいただくたびに、すごいなぁ・・・と感動してしまいます。 取り付ける前には、「ピカール」で磨いて、さらに光沢を出してからお届けとなります。 真鍮のいいところは「木と同じく経年して変化する」というところ。 よく使われる「経年変化」という言葉。 シンプルに「人間」と一緒。 生まれてから、少しずつ経験を積んで、歳をとって、心身ともに変化していく。 だから、同じように「変化するモノ」に自然と共感して愛着が湧くのでしょう。 ずっと変化せずそのままの姿をキープし続けるモノに関して、感心しながらも、どこか違和感を感じたり、味気なさを感じてしまうのは、どこか寄り添えない感覚があるからなのかもしれません。 お届けまで後少し。


- Sep 19, 2020
ダイニングチェアの背もたれ(笠木)
ご依頼いただいているダイニングチェアの背もたれのことを「笠木(かさぎ)」と呼びます。 様々な工法がありますが、このダイニングチェアは無垢の板を引き割って圧着し「積層」する方法で形を作ります。 一枚の木から引き割っていくので、木目はほぼ同じように見えるのですが、ここから「表と裏」になる木目をしっかり見極めていきます。 ほぼ同じということは、違うということ。 圧着してから最低でも12時間はそのままの状態。 なかなか時間のかかる工程ですが、とても好きな工程のひとつでもあります。 10月にご依頼いただいている「ハーフアームチェア」は、また違う方法での製作となるので、 それもまた楽しみ。


- Sep 17, 2020
ブックスタンド、フォトフレーム。
「家が教えてくれること」でお世話になって以来、ずっとお取り扱いいただいている小池さんと小川さんご夫婦からご依頼いただきました「ブックスタンド」と「フォトフレーム」をお届けしました。 繊細な線のウォールナットをどう組み立てるか、、、色々と試行錯誤が続いておりました。 今は、組んだ後に木釘を打ち込んで、この構造を確立しています。 ウォールナットとの相性もいい「真鍮のネジ」を使用して、可動部分にもアクセントとして楽しんでいただけます。 木とともに、真鍮も経年で色が変化していくので、年月をともにしてくれる道具として、とても愛着が湧くと思います。 木の動きで、ネジがゆるくなることもあるでしょう。 そのときは、ネジを少し締め直してあげてください。 メンテナンスも大切な道具とのコミュニケーションです。 様々な道具が便利でメンテナンスフリーなモノが増えてきていますが、僕は人も道具も、完璧を求めるのではなく、メンテナンスをしながら少しずつ絆が深まって行くような、対話が大切だと思っております。 繊細な作業はとても集中力を使うので、製作する個数はいつも「心を込めること


- Sep 17, 2020
圭三郎の鉋
小僧の時から、ずっと一緒に仕事をしてきた "圭三郎鉋"。 寸八、寸六、小鉋も圭三郎。 名古屋にあった青山鉋さんにおすすめされてから、ずっと使わせていただいています。 鉋でも、カメラでも、釣竿でも、道具とはこうしてゆっくり繋がっていく感じがいい。 ゆっくり手に馴染んで行く感じがいい。 Nikon F2とは8年の年月が経ったけれど、leica M4とはまだ3年。 まだまだこれからたくさんの思い出を残しながら、ゆっくり馴染んで行く感じを楽しんでいきたい大切な相棒。 道具との付き合い方は、人との付き合い方ととても良く似ていて、家族との関係も似ている。 "大切にする"とは簡単に言えるけど、"大切にしているかどうか"は作品に現れてくると信じている。